9521レ SLやまぐち 19kポストS字
2009/6/6

 予報の降水確率は午前50%、午後20% これならベストコンディションということで、山口に向かうことにした。朝、仁保地に着くと雲は厚く、風はないが時よりパラパラと大粒の雨が落ちてくる。気温はやや低く、動かずにいると半袖ではつらい。4月に撮影に来た際に、伺った話だと二反田や小河内では今年は煙が少なく、大山第三から仁保地にかけてはよく出ているらしい。そこで19kポスト付近のS字に向かうことにする。
 この辺りは雑木林に包まれた谷筋に沿って、線路は右に左に孤を描きながら登ってゆく。生い茂った林の中をかき分けながら進んでゆくような区間だ。ディーゼルカーですらエンジン音を高らかに唸らせ、ゆっくりと登ってゆく連続勾配。蒸気ともなると、もし平坦区間なら自転車で並走できそうなぐらいの速度に落ちる。カマの調子しだいで空転するのもこの辺りだ。
 定番の位置に三脚をセットし、地元の撮影者の方とお話をしながら、のんびりと列車の通過を待つ。雲が流れて、時より日も射す。露出も行ったり来たり。クロアゲハが大きな木から舞い降りてきて線路をまたぐと、また同じ木に舞い上がってゆく。時の流れはゆるやかだ。
 静かな林の中に、心臓の鼓動のようにゆっくりとしたドラフト音が聞こえ始めた。リラックスしていた気分が一瞬で緊張する。ファインダを覗き、露出を確認。あえいでいるような息使い、大きな鼓動が谷にこだまする。いよいよS字の先に白煙があがり、ヘッドライトがこちらを照らす。もくもくと吹き上げる煙と蒸気。辺りを圧倒する爆音。ファインダの中でどんどん大きくなってくる。・・・連射。大きな動輪が目の前を横切る。・・・気がつけば客車を見送っている。いったい何度シャッターを切っただろうか。
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2009/6/6 山口線 宮野~仁保 9521レ SLやまぐち
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by kony5711 | 2009-06-13 23:56 | 山口線 | Comments(0)
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