9522レ SLやまぐち 白井
2009/6/6

 午前中は結局、天気予報に反して覚悟していた雨に降られず、むしろ薄日が射すくらいの天候で順調に撮影がこなせた。もともと山口線は南西から北東に向かって下り列車は走るため、晴天だとどう狙っても反逆光か逆光になる。そのため日が射さないほうが、画面全体がフラットになって黒い被写体を狙うには都合がいい。日は射さず、気温も低く、煙も期待通り。満足な半日が過ごせた。
 午後の予報は天候回復、日が射すことを期待しながら国道9号を北上し津和野を目指す。ところが、徳佐から峠を越えて津和野に入ると、先ほどの天候は一転。山並みにガスがかかり、重く、低い雲からは途切れることなく霧雨が降ってくる。辺りは薄暗く露出は稼げそうにない。車を止めて暫し考え込んでしまった。もともと、牧ヶ野で俯瞰と思っていたが、この天候では霧と雨で目の前をふさがれる可能性もある。天気予報はまたもハズレ。さてさて・・・
 ふと気付くとエアコンを入れた車内より外のほうが気温が低い。エンジンを切り、窓を開けてみた。霧のような雨は容赦なく入ってくるが、とても新鮮な空気。あたりは静まりかえり、なにも聞こえない。コントラストのない単色のような風景とあいまって、しっとりと落ち着いた雰囲気に包まれ、ゆったりとした気分になってきた。・・・こんな天気もありかな。気持ち良く雨に濡れてみる気になってきた。俯瞰はあきらめ、霧に霞む山を入れて、退いた絵でいくことにする。一路白井の里へ。

 里に到着すると車が一台。午後2時をまわり、いつもなら数台の車が止まっている時刻。目を凝らして見ても、お立ち台に三脚は一台もない。もともとどこの撮影地も人出は少ない。お声を掛けた方はみなさん地元の方ばかりだった。遠出するなら天気の良い日にと思うと遠征組はこの天候をきらったようだ。変わり者は私ばかりか。
 一人寂しく雨こしらえをして、お立ち台へ。カメラをカバーしながら構図を決める。雨は止む気配もない。発車10分前、車がばらばらとやって来て、各自思い思いの場所に。それでも5~6名程度か。雨音もしない霧雨、辺りは静まりかえったまま。細かな雨のカーテンに音が遮られているのか、定刻を過ぎてもなにも聞こえてこない。5分、10分、なにか聞こえた?と思う間もなく、目の前に白煙があがる。あわててカメラのカバーをはずし、ファインダーを覗く。カーブを切ってゆっくりと姿を現すと谷はドラフト音で満たされる。尾を引く白煙、真っ白なドレーン、客車すら見えないほどの煙と蒸気をまとったまま、白井トンネルに入る汽笛。圧巻。暫し、呆然。いつシャッターを切ったのか覚えていないほど一瞬の出来事。漂ってくる煙と石炭の香り。この余韻と満足感がたまらない。  
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2009/6/6 山口線 船平山~津和野 9522レ SLやまぐち
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by kony5711 | 2009-06-10 19:22 | 山口線 | Comments(0)
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